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秋岡芳夫さんのこと

現在開催中の企画展「新和風のすすめ」~秋岡芳夫が提唱する低座の暮らし~。
この秋岡芳夫さんって、誰??って思ってる方もいらっしゃるのでは・・・
デザインや家具業界では有名な方でありますが、業界以外の方には馴染が無いかもしれません。

秋岡芳夫さんは工業デザイナーとしてオートバイやカメラ等様々なデザインを手掛けられた方です。
工業デザインって、人にモノを買ってもらうために魅力的なカタチを作る、そんなお仕事です。
そんな消費を促す側の人がある時「待てよ」と立ち止まりました。
消費社会に疑問を持ちました。
そして「消費者ではなく愛用者になろう!」という考えのもと、様々な活動や執筆をされた方なのです。
すごくザっとした説明ですが・・・


私たちは、もちろんデザインされた家具から秋岡芳夫さんを知った訳ですが、なんでこんなサイズの椅子を作られたんだろうという疑問から、提唱されている「低座の暮らし」などを知っていったのです。
低座はひとつのスタイル。
もちろん合う方も合わない方もいらっしゃるでしょう。
でもそこに至る秋岡芳夫さんの考え方そのものが、みなさんに知っていただきたい部分であります。

私たちにとってどういったサイズや使い勝手が最適か、これまでの暮らしから考える。
情報とか流行りとか見た目に流されないで、自分の目で見て触れてモノを選ぶ。
気に入ったものを手直ししながら使ったり、自分で作ったり、手を動かす事で身の回りのモノへの愛着を育む。
長く使い込むことで更に美しくなることへの美意識。

なんだか堅苦しい感じもしますが、秋岡芳夫さんの著書ではそういったことが分かりやすい言葉で書かれています。
秋岡芳夫さんの著書は絶版になったものがほとんどでなかなか手に入らず読んだ本も数冊ですが、なんだか私のイメージでは「かわいいおじさん」なのです。
暮らしやモノに対する視線がとても優しい。
手厳しいことも書かれていますが、そこにはとても優しく温かい根拠があるのです。

当店は「暮らしを楽しもう!」というコンセプトのもと、皆さんに住まいやインテリアを提案しているのですが、秋岡芳夫さんに学ぶことも多く、今回この企画展ができるのはとても嬉しいです。
ご来店のお客様には上手にお伝えできていないのが不甲斐ないところではありますが、少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。