第5回目となる「きょうと椅子」に行ってきました。
今回も関東から九州までの木工家35組、計70脚の椅子が集まりました。
場所は今年も京都文化博物館。
重厚な空間に個性的な椅子が並び、しかも全て自由に座ることができる贅沢なイベントです。
今回は中庭スペースで木工家さんが製作した木の小物類も販売されていて、
プロの方から家具を勉強中の学生さんだけでなく、一般の方まで楽しめる内容になっていました。
当店は昨年から協賛させていただいているのですが、今回はトークイベントにお招きいただきました。
木工家2名と家具の販売店2名による「自分の椅子の見つけかた」というタイトルで、
売る人と作る人がそれぞれの目線から椅子について語るという内容です。
作り手は京都炭山朝倉木工の朝倉さんと山の家具工房の田路さん、
もう1人の販売店はいつもお世話になっている芦屋のJクオリアの松下さん。
どれぐらいの方が聞きに来てくれるのか、どんな話になるのかと慣れない場に緊張気味だったのですが、
始まってみると思っていた以上の人が聞きに来てくださり会場はほぼ満席。
余計に緊張してしまいました(笑)
それぞれの立場から椅子について話をしていたのですが、作り手と売り手の考え方の違いが面白い。
売り手としてはお客さんに合う椅子という考えが強いので、機能的な面から話を進めていくことが多いのですが、
作り手はご自身のこだわりや美的センスから椅子をデザインされていて、それを気に入ったお客さんが購入されるスタイル。
おのずと接客のスタイルも違います。
朝倉さんの話で面白かったのが「見た目は良いけど性格がイマイチの異性」という例え。
座り心地がそれほどでも見た目が抜群で、そばに置いておきたい、その椅子を愛でたい、
という考えで椅子を選ぶのもありじゃないかという考え方でした。
確かに一理ありますし、実際に当店でもそのような視点で椅子を購入される方もいらっしゃいます。
ただ、私たちのようなショップに来られるお客様は自分にどんな椅子が合うのか、
どんな椅子を選べば良いのかわからない状態で来られることがほとんど。
そのため色々なお話を聞きながらベストの椅子を提案するというスタイルになります。
いわば結婚相談所のようなもので、見た目(デザイン)重視か性格(座り心地や機能)重視か。
それ以外にも希望の年収(購入の予算)などをヒヤリングして提案します。
色々な要望に応えるためには品揃えも重要なので、デザイン・座り心地・お値段、それぞれの視点で選んで椅子を並べています。
逆に木工家さんは沢山の種類の椅子を作ることは物理的にも不可能。
おのずと1脚にこめる情熱や思い、デザインや製作にかける時間は相当なものだと思います。
それがお客さんにも伝わって購入につながるのでしょうね。
実際にトークイベントの最後で朝倉さんの椅子の購入を決めた方がいらっしゃいました。
さすがです!
それぞれの立ち位置や考え方が違うのはわかっていましたが、そこの話が聞けたことが面白かったし勉強になりました。
でもなぜか4人とも自宅で使っている椅子は座面が板座。
たまたまですが、そこは共通点でした(笑)
ちなみに手に持っているのが私が自宅で使っているDC09という椅子。
板座とは思えないお尻のフィット感が抜群でお薦めですよ。
今回は貴重な機会をいただけて感謝です。
そしてお越しいただいた方もありがとうございました。
30年ぶりに会う学生時代の友人がわざわざ大阪から来てくれたり、お世話になっている工務店さんの方や、
取引先のメーカーの社員さんまで幅広く沢山の方が来てくださいました。
その日の夜は懇親会。
はじめましての方もお久しぶりの方とも色々な話ができて楽しい時間でした。
あつい話が交わされている中、食べ物に夢中な私^^;
でもちゃんと話は聞いてましたよ。