家具の選び方【椅子編】の第三弾です。
今日は座面の高さに絞ってお話します。
椅子の座り心地を決める要素として座面の高さはとても重要です。
座った時にかかとがしっかりと床に着くかどうかで座り心地はかなり変わります。
上のイラストでは中央がベストの高さです。
しっかりとかかとが床に着いているので疲れずに長く座ることができます。
右側はかかとが完全に浮いていて太ももの裏側が圧迫されて疲れます。
ほとんどの人が座り心地が悪いと感じると思います。
左側は人によって好みが分かれます。
座り心地が良いと感じる人もいれば、違和感を感じて座り心地が悪いと感じる人もいます。
椅子選びの時は必ず靴を脱いでください。
靴を履いたまま座ってかかとが着くと思っても家では靴を脱ぐので、
お店で座った時と座り心地が違う!ということが起こります。
当店ではまず色々と座り比べてもらって、ある程度気に入った椅子が絞られてきたら、
かかとの厚みがないスリッパに履き替えてもらい、素足に近い状態で椅子に座ってもらいます。
その時に1cmの厚みの板を足元に重ねながら、その人にベストの高さを探ります。
基本的に高さ調整が可能なのは脚をカットして低くすることで、
脚を高くして欲しい、というのは一部の椅子を除いては不可となりますのでご了承ください。
座面の高さを説明する時によくお話するのは、椅子も人間も脚が長い方がカッコいい、ということです。
あまり脚を短くし過ぎると見た目のバランスが崩れて短足に見えてしまいます。
設計事務所やデザイナーの方の中にはそれを嫌って脚をカットしないで、という方もいらっしゃいます。
もちろんその考え方も理解できますし、実際にお客様の中でもそのような考えで
足が浮いていても現状のままの高さで購入する方もいます。
どちらが良い悪いではなく、あくまで個人の考えや好みになるので、購入する方が満足するのが一番大切です。
ただ、そういうことを全く知らずに購入して後で後悔することがないようにして欲しいので、
当店では丁寧に説明して最終的にはお客様に納得して選んでもらうようにしています。
このような座面の高さについて気にするお客さんはとても少ないです。
でもそれは仕方のないことだと思います。
椅子を買うのは人生の中でも回数が限られていますし、
選ぶ時のポイントや自分にどんな椅子が合うかわからない方がほとんどだと思います。
逆に洋服を買うことはかなりの回数を経験しているので、
自分に合うサイズやフィット感の好みもわかっていると思います。
椅子も身体に触れるものなので、本当は同じように身体に合うサイズや好みのフィット感があると思います。
椅子を選ぶ時はそのような点にも注意してみてくださいね。
1月24日から開催する「椅子のSML展」ではサイズとフィット感に焦点を当てて、
改めて椅子の座り心地を体感していただけるイベントになっています。
実際に色々な椅子を座り比べて、ご自身に合う椅子を見つけて下さい。